「最近、朝になると『お腹が痛い』と言って学校に行きたがらない」 「友達関係でうまくいっていないみたい」 「特にいじめがあるわけでもないのに、教室に入れない」
小学校高学年(4・5・6年生)のお子さんを持つ保護者の方から、こんな声をよくいただきます。
実は、小学校高学年は不登校・行き渋りが急増する時期だとご存知でしょうか。文部科学省の調査でも、小学校3年生から4年生にかけて、不登校の件数が倍以上に増えるというデータがあります。
この記事では、フリースクール・リンカーン(東京都江戸川区・江東区)で多くの高学年のお子さんと向き合ってきた経験から、保護者の方に知っておいていただきたい 7つのこと をお伝えします。
なぜ小学校高学年で不登校・行き渋りが急増するのか
高学年で起きている「3つの変化」
1. 学習内容の急な難化
4年生になると、算数で抽象的な概念(分数・小数)が登場し、社会・理科でも暗記量が増えます。「3年生まではできていたのに、4年生になってつまずいた」 というお子さんは少なくありません。
2. 人間関係の複雑化
低学年の頃の「みんなで仲良く」から、高学年になると 小グループ化 が進み、人間関係の機微が複雑になります。空気を読む力が試され、その中で孤独を感じるお子さんが増えます。
3. 自我の成長と自己肯定感の低下
「自分はみんなと違うのではないか」「自分はダメなのではないか」と、自分を客観視できるようになる時期です。同時に、それが自己否定につながるお子さんも多いのが現実です。
保護者の方に知っておいていただきたい7つのこと
1. 「学校に行きたくない」は SOS のサイン
朝の腹痛・頭痛・吐き気は、心の SOS が体に出ているサインです。
「気のせい」「サボり」「甘え」と言われがちですが、本人にとっては本当に辛い症状です。お子さんが訴えてきたら、まずは 「そっか、しんどいんだね」と受け止める ことから始めてください。
2. 「無理して行かせる」が逆効果になることが多い
「ここで休ませたら、ずっと行けなくなるのでは」という不安は当然です。
しかし、高学年のお子さんに無理に登校を強要すると、「親は分かってくれない」「自分はダメな子だ」という思いを強化してしまうことがあります。まずは休ませて、心を充電する時間 を作ってあげてください。
3. 学校との連携は、保護者が一人で背負わなくていい
担任の先生・学年主任・スクールカウンセラー・教育委員会など、関わる人は多くいます。
最近は フリースクールが間に入って学校と連携するケース も増えています。リンカーンでも、申請書類の作成サポートから学校の先生との面談同行まで、保護者の方が一人で背負わずに済むよう伴走しています。
4. 「出席扱い」という制度を知っておく
2017年から、文部科学省の方針で フリースクールへの通所が在籍校の「出席扱い」になる制度 があります。
リンカーンでは、これまでのべ20校以上の小中学校で出席扱いの認定をいただいてきました(2024年4月時点)。中学校での内申や進路選択にも関わる重要な制度なので、知っておくと選択肢が広がります。
▸ 出席扱いについて、詳しくはこちら
5. 「学習の遅れ」は取り戻せる
「このまま勉強が遅れたら、どうなるのか」という不安は、多くの保護者の方が抱えています。
実は、お子さんが心の充電を済ませた後の学習の伸び方は、想像以上 です。リンカーンでも、半年・1年かけて動き出した子が、その後ぐんぐん学習を進めるケースを多く見てきました。焦らず、その子のペースを尊重することが、結果的に近道になります。
6. 「学校に戻すこと」が唯一の正解ではない
学校に戻れる子は、自分のタイミングで戻ります。
戻らない選択肢もあります。フリースクール・適応指導教室・通信制中学・ホームエデュケーション・通信制高校・高卒認定など、今の時代、選択肢はたくさん あります。お子さんに合った道を、一緒に探していけば大丈夫です。
7. 保護者の方の心のケアも、同じくらい大切
「自分の育て方が悪かったのか」「もっとできることがあったのではないか」と、ご自分を責めてしまう保護者の方は多いです。
でも、お子さんが不登校になったのは、保護者の方のせいではありません。むしろ、お子さんがそのサインを家庭で出せたことは、ご家庭が「安心できる場所」だったからです。
リンカーンでは、お子さんだけでなく、保護者の方の不安や迷いも一緒に抱えさせていただきます。何度でもご相談ください。