この記事でわかること
- フリースクールと家庭がそれぞれ担う役割のちがい
- 家庭でできる具体的な関わり方のヒント(無理のない範囲で)
- リンカーンが考える「自立」のイメージと、家庭との連携の仕方
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「フリースクールに通えば、何とかなるんじゃないか」
そう思って、わらをもすがる思いで問い合わせてくださる保護者の方がいます。
その気持ち、とてもよくわかります。毎日「今日はどうかな」と一喜一憂しながら、何ヶ月も過ごしてきた疲れがある。誰かに頼りたくて、背中を押してほしい。
だから最初に、正直にお伝えしたいと思います。
フリースクールは、できることがたくさんあります。でも、すべてではありません。
お子さんの「自立」は、フリースクールと家庭が一緒に作っていくものです。この記事では、現場スタッフの視点から、家庭でできる関わり方をできるだけ具体的にお伝えします。
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フリースクールにできること、できないこと
まず、フリースクール(私たちリンカーンも含めて)にできることを整理させてください。
できること
- 「ここにいていい」という安心感のある場所を提供すること
- その子のペースで学習に向き合える環境をつくること
- 大人と関わる経験、同じような境遇の子と過ごす経験を積むこと
- 保護者の方が「今日は誰かに任せられる」と少し肩の荷を降ろせること
簡単ではないこと
- 一日中、一対一でその子だけを見続けること
- 家庭の中での関係性を変えること
- 「学校に行けた・行けなかった」の起点になる、朝の時間を支えること
特に「朝の時間」は、フリースクールには手が届かない場所です。起き上がれるか、食事ができるか、玄関を出られるか——これはすべて家庭の中で起きることです。
文部科学省の調査によると、小・中学校における不登校の児童生徒数は近年増加を続けており、多くの子どもたちが学校に行きづらさを感じています。それだけ多くの子どもたちが行きづらさを感じている今、支援の場は多様化しています。ただ、どんな支援機関も「家庭の代わり」にはなれません。
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「何もしないで待つ」でも「正しいことを言い続ける」でもなく

家庭での関わり方について相談を受けると、保護者の方は大きく二つに分かれます。
「とにかく見守っています」というパターン子どもを追い詰めたくなくて、何も言わずに待っている。でも、何ヶ月経っても変化がなくて、内心「このままでいいのか」と不安になっている。
「毎日、声をかけ続けています」というパターン「勉強は?」「学校どうする?」「将来が心配で」と正しいことを伝えているつもりが、子どもは部屋に閉じこもるようになってしまった。
どちらも、お子さんへの愛情からくる行動です。でも、どちらも少し苦しい状況になりがちです。
現場スタッフの石渡が感じるのは、「ただそこにいる」という関わりの大切さです。
何かを解決しようとしなくていい。「今日どうだった?」と聞かなくていい。一緒にテレビを見る、同じ空間でそれぞれのことをする、ご飯を作っている音がする——そういう「日常の存在感」が、じつは子どもにとっての安心の土台になります。
そして、石渡がもう一つよくお伝えしているのが、\\「お子さんの要望を、すべてすぐに叶えようとしなくていい」\\ということです。
たとえば「あれ買って」「これやって」という要望が出てきたとき、反射的に動いてしまう前に、一度「それ、自分で言葉にしてみて」と促してみる。これは突き放すことではありません。「自分の気持ちを言葉にする練習」を、日常の中でそっと積み重ねていくことです。要望を全部先回りして叶えてしまうと、お子さんが「言わなくてもわかってもらえる」という感覚に慣れすぎてしまうことがあります。小さな「言葉にする経験」が、長い目で見たときの自立につながっていきます。
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「一緒に決める」姿勢が、子どもを動かすことがある

リンカーンで大切にしていることの一つが、「一緒に決める」という姿勢です。
「今日は何をするか」「どんなペースで学習に取り組むか」——こうしたことを、スタッフがお子さんと相談しながら決めていきます。「あなたが決めていいよ」と完全に委ねるのではなく、大人が横に座って一緒に考える。これが、その子の「自分でやれた」という感覚につながると考えています。
これは、家庭でもできることです。
たとえば——
- 「今日のお昼ごはん、何がいい?一緒に決めよう」
- 「この週末、家でやってみたいことある?」
- 「フリースクールで今日どんなことしたか、少し教えてくれると嬉しい」
大きなことでなくていいんです。日常の中の小さな「一緒に決める」が積み重なると、お子さんは「自分の意見を言っていい」「自分で選んでいい」という感覚を少しずつ取り戻していきます。
もう一つ、石渡が現場で意識していることがあります。それは、\\「フリースクールでの出来事を、家庭での交渉材料にさせない」\\ということです。
「リンカーンのスタッフがこう言ってた」「フリースクールではこうだった」——お子さんがそう言って、家庭でのルールやお父さんお母さんの判断に対して折衝しようとすることがあります。それがエスカレートすると、家庭とフリースクールのあいだで子どもが板挟みになったり、保護者の方がじわじわと疲弊していくことにもなりかねません。
リンカーンでは、フリースクールはフリースクールの場として、家庭は家庭の場として、それぞれ独立した関係性を大切にしています。「ここでのことはここで完結する」という意識を持つことで、お子さん自身も「場によって自分を切り替える」という経験を積んでいくことができます。
これが、「自立」の出発点だとリンカーンは考えています。
次の一歩は、「学校に戻ること」だけではありません。自分のことを自分で考えられるようになること、それが何より大切な一歩です。
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まとめ
- フリースクールは、安心できる場所と学習の機会を提供できる。でも、家庭の代わりにはなれない。
- 「正しいことを言い続ける」より「ただそこにいる」安心感が、子どもの土台になることがある。
- お子さんの要望をすべて先回りして叶えるより、「言葉にする経験」を積み重ねることが自立につながる。
- 「一緒に決める」という日常の小さな積み重ねが、お子さんの自立の芽を育てる。
- フリースクールと家庭は「チーム」。どちらかが頑張りすぎなくていい。
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リンカーンでは、保護者の方との連携を大切にしています。
「家でどう関わればいいかわからない」「最近、子どもの様子が少し変わってきた気がする」——そういった日常のご相談も、スタッフがお聞きします。まずはお聞かせください。
フリースクールリンカーンは、江戸川区瑞江(2024年5月開校)と江東区亀戸(2025年7月開校)の2校舎で、小学1年生〜中学3年生のお子さんを受け入れています。月額定額制で、来たい日に来られる環境を整えています。