「なんで学習しないといけないの?」子どもたちと本気で考えてみた|江戸川区・江東区フリースクールリンカーン ROUTE LAB. 第2回レポート

「ROUTE LAB.」と書かれたホワイトボードや黒板の文字、または授業中に使われたワークシート的なもの。スクール内の雰囲気が伝わるもの
サムネイル|ホワイトボードや模造紙に子どもたちの意見が書き出されている様子。にぎやかで温かい雰囲気の教室風景

この記事でわかること

  • フリースクールリンカーンの体験型授業「ROUTE LAB.」第2回の内容と雰囲気
  • 「なんで学習しないといけないの?」という問いに、子どもたちがどんなふうに向き合ったか
  • 学ぶことへの興味が「問い」から生まれる、というリンカーンの学習支援の考え方

「そもそも、学習がなかったら世界はどうなる?」──子どもたちの思考が止まらなかった日

フリースクールリンカーンでは、現場責任者の石渡が「個人的に気になること」をテーマに子どもたちと一緒に考える授業「ROUTE LAB.(ルートラボ)」を定期的に開催しています。

第2回のテーマは、ずばり——「なんで学習しないといけないの?」

学校に通っている子も、通っていない子も、一度は頭をよぎったことがある、あの問いです。

今回も複数名の子どもたちが参加してくれました。石渡がまず投げかけたのは、こんな問いでした。

> 「もし、この世に最初から”学習”という概念がなかったら、どうなると思う?」

しばらく沈黙があったあと、あちこちから声が上がりはじめました。

「言葉も生まれないんじゃない?」 「ご飯、作れなくなる」 「でも、動物は学習なしで生きてるよね?」 「いや、動物も学んでるんじゃないかな。子どもに狩りを教えてるじゃん」

この問いには、「正解」がありません。だからこそ、一人ひとりが自分の言葉で考えはじめました。

子どもたちが車座になって話し合っているシーン。スタッフも輪の中に入り、対等な雰囲気で議論している様子

各教科に意味はあるの?──算数・国語・理科・社会を「自分ごと」で考える

「学習という概念がなかったら?」の問いで頭がほぐれてきたところで、石渡は次の問いへと進みました。

> 「じゃあ、各教科にはそれぞれどんな役割があると思う?」

ここでも、子どもたちの意見はさまざまでした。

算数・数学について「レジ打ちのとき計算できないと困る」 「ゲームのキャラのステータスを計算するのに使う」 「建物を作るときに絶対いる」

国語について「人に気持ちを伝えるのに必要」 「でも、気持ちって言葉じゃなくても伝わることあるよね」 「作文が役に立つのかどうかはわからない」

理科・社会について「理科がないと薬も作れないし、病気で死ぬ人が増えそう」 「社会の地図って、迷子にならないためじゃないの?」 「歴史は……正直まだわからない」

「歴史はまだわからない」という正直な一言に、笑いが起きました。でも、それがとても大切な言葉だとスタッフは感じていました。わからないことを「わからない」と言える場所、それがリンカーンでありたいと思っています。

そしてこの場面では、もう一つ印象的な意見が飛び出しました。「社会は、もっと自分で調べる力をつけるためにあるんじゃないか」という発言です。石渡自身、その言葉にハッとさせられたといいます。教科の「内容」を覚えることより、調べる力・探す力を育てるための入り口——そういう捉え方もできるのだ、と。子どもたちの視点が、スタッフに気づきをくれることも、ROUTE LAB. の面白さの一つです。

「答え」を出すより、「問い」を持ち帰ることが大事

ROUTE LAB. では、授業の最後に「まとめの結論」を出すことをあえてしていません。

石渡が大切にしているのは、「この問いを、家に帰ってからも頭の片隅で考え続けてほしい」ということ。お風呂に入っているとき、ご飯を食べているとき、ふとした瞬間に「あ、そういうことかも」と気づく体験をしてほしいと思っています。

もちろん、石渡自身も「自分はこう思う」という考えは、その場でちゃんと伝えます。でも、それを「正解」として渡すのではなく、「みんなはどう思う?」という問いかけに変えて返す。ファシリテーターとして、一緒に考え続ける姿勢を見せることが、石渡の中の「軸」になっています。

学習することの意味は、誰かに教えてもらうものではなく、自分の中からじわじわと見えてくるものかもしれない。今回の授業は、そんなことを感じさせてくれる時間でした。

そして、この日のROUTE LAB. でスタッフが印象に残っているのは、普段はあまり発言しないお子さんが、この日はいきいきと参加していたこと。場の雰囲気として、「いろんな意見を出していい」「そもそも、間違いなんてない」という空気が最初から流れていた。それが伝わったのかもしれません。正解を求められない問いの場では、「言ってもいいんだ」と思える瞬間が生まれやすい。そういう力が、この問いにはあります。

授業後、スタッフと子どもが雑談している穏やかなワンシーン。ホワイトボードに板書が残っている

まとめ|「なぜ学ぶのか」を一緒に考えられる場所でありたい

今回のROUTE LAB. 第2回では、「なんで学習しないといけないの?」というテーマに向き合いました。正解を押しつけるのではなく、「一緒に考える」という時間の中で、子どもたちはそれぞれの言葉で学ぶことの意味を探っていました。

「勉強しなさい」と言われ続けても、その意味がわからなければ動けない。でも、「なんでだろう?」という問いを持てたとき、何かが変わりはじめることがあります。

リンカーンでは、「なぜ学ぶのか」を子どもと一緒に考えることから始めています。

学習の時間を「こなす」のではなく、その子のペースで、その子が納得できる形で取り組めるよう、スタッフが一緒に決めながら進んでいきます。学校がちょっとしんどいお子さんも、まずはどんなことが気になっているのか、まずはお聞かせください。

📍 瑞江校(東京都江戸川区瑞江)・亀戸校(東京都江東区亀戸) 対象:小学1年生〜中学3年生 料金:月額定額制(月1回でも毎日来ても同じ金額)

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