この記事でわかること
- 小学生の不登校の現状と低学年・高学年それぞれの特徴
- 年齢に応じた保護者の関わり方と具体的なサポート方法
- 焦らずにお子さんと歩んでいくための心構えとリソース
小学校の不登校児童数は年々増加を続けており、2022年度は約10.5万人と過去最多を記録しています。もしお子さんが「学校に行きたくない」と言い出したとき、多くの保護者の方が戸惑いや不安を感じるのは当然のことです。
しかし、小学生の不登校にはその子の年齢や発達段階によって異なる特徴があり、それぞれに適した関わり方があります。江戸川区や江東区にお住まいで、お子さんの学校生活について気になることがある方に、年齢別の違いと具体的な支援方法をお伝えします。
小学校低学年(1〜3年生)の特徴と関わり方
低学年によく見られるパターン
小学校低学年の場合、「母子分離不安」が大きな要因となることが多く見られます。これは親から離れることへの不安が、学校に行けない状況を引き起こすものです。
家庭における子育て不安の問題や、子ども同士の交流活動の減少などから、子どもが社会性を十分身につけることができないまま小学校に入学することにより、精神的にも不安定になり、周りの児童との人間関係をうまく構築できず集団生活になじめない、いわゆる「小1プロブレム」が問題として顕在化することも多くなっています。
リンカーンで関わってきた中で感じているのは、母子分離不安以外にも、学習についていけない不安、お友だちとの関係がうまくいかない、授業でじっとしていることが難しいといった理由で学校がちょっとしんどくなる低学年のお子さんも多いということです。
低学年の保護者に大切な関わり方
安心感を第一に考える
言葉にするよりも、不安なとき、怖いと感じているとき、お母さんやお父さんがそばにいて守ってくれている、慰めてくれているという事実を体験させてあげることに効果があります。
甘えを受け入れる
お子さんが甘えてくる時は、無理に自立を促そうとしないことが大切です。優しく抱きしめたり話を聞いたりしながら「大丈夫だよ」「あなたの不安な気持ち、わかってるよ」と声をかけ、まずは子どもの気持ちを受け入れて寄り添いましょう。
安定したサポート
心の中の安心感というのは、つまり、保護者の方がそばにいないときでも自己判断するための精神的な支柱となる感覚であるので、これが欠けているときには大切に育てていく必要があります。
実際に現場では、低学年のお子さんとのコミュニケーションを取る際に、ぬいぐるみを面談に同席させたり、キャラクターを使った塗り絵などから始めることが多いです。その子のペースで安心できる関係性から築いていくことを大切にしています。
小学校中学年(3〜4年生)の特徴と関わり方
中学年の心の変化
小学校中学年は、低学年の頃よりも自分の世界が広がる一方で、学習内容も複雑になり、友だち関係でも様々な経験をする時期です。この時期のお子さんは「自分でできるようになりたい」という思いと、まだまだ支えが必要な部分の両方を持ち合わせています。
学習面での変化
学習面では、子ども同士の間で大きな差が生まれ始めます。この個人差が顕著になる時期を、教育現場では『10歳の壁(小4の壁)』と呼び、気を付ける時期としています。抽象的な思考が必要な内容が増え、これまでとは違った困難さを感じるお子さんもいます。
小学校高学年(5〜6年生)の特徴と関わり方
高学年の心の変化
高学年では既に思春期に入っており、自分とは何かという「同一性」について思いを巡らし始める子もいます。この時期のお子さんは「自立したい」という思いと「一人では不安」という思いの両方を持ち合わせています。
リンカーンで関わってきた高学年のお子さんを見ていると、学習への抵抗感がさらに強くなり、劣等感を持ってしまっているケースも多く見られます。特に女子を中心に人間関係で大変な思いをしたり、11歳頃になって発達特性に気づくパターンもあります。
高学年の保護者に大切な関わり方
自尊感情を支える
他人からの評価ではなく、自分が自分をどう思うか、感じるかを大切に出来ること。もし、お子さんが他者との比較で自己評価を下げているときに頭ごなしに叱ったりすると、さらなるネガティブな感情をお子さんに引き起こし、余計自尊心を下げてしまいます。
お子さんの意見を尊重する
高学年は、保護者の方から精神的に自立し始める時期でもあり、周囲との関わりの中で自分の意思や考え方を確立していきます。保護者の方が必要以上に干渉してしまうと、かえって心を閉ざしてしまう場合もあります。
成功体験を大切にする
失敗を繰り返して困難に直面しているお子さんが成功経験を得て自己肯定感を高められるように、保護者の方が手を差し伸べて適切な支援を行っていくことが大切です。
実際に現場では、高学年のお子さんには学習をとっかかりにしてコミュニケーションを取ることが多いです。アニメやゲームの話から始まったり、中学で復学を希望するお子さんとは中学に向けての準備を一緒に話し合ったりしています。
年齢を問わず大切にしたい基本的な姿勢
お子さんのペースを尊重する
原因にこだわりすぎず、学校がちょっとしんどいお子さんが「次の一歩を踏み出そう」と思うまで、気長に待つ姿勢を忘れないようにしましょう。お子さんにとって、その子のペースで進んでいくことがとても大切です。
安心できる環境づくり
学校がちょっとしんどいお子さんにとって、ストレスフリーで安心できる居場所は必要です。なぜなら、安心安全の環境がお子さんの心の安定と回復を促し、自己肯定感の向上につながるからです。
生活リズムを整える
生活リズムを整えるには、「起きる時間や寝る時間のルールを一緒に決める」「日中は趣味や運動などに取り組む」などを意識すると良いでしょう。登校に関わらず、昼夜逆転していると、気分も乱れがちだったり、家族内でのコミュニケーションの機会が減ってしまったりすることもあります。
一人で抱え込まない
「お子さんのことを家庭だけで抱え込まず、支援団体を利用すること」です。この期間中は、保護者の方が担任やスクールカウンセラーとお子さんの状況を共有しておくのも重要です。スクールカウンセラーは学校がちょっとしんどい状況に関する専門的な知識があります。
まとめ
小学生で学校がちょっとしんどくなる背景は、低学年では母子分離不安や環境への適応が中心的な課題となり、高学年では学習面での困難さや自我の芽生えによる複雑な心の動きが関係してきます。どの年齢でも共通して大切なのは、お子さんの気持ちに寄り添い、その子のペースを尊重することです。
「学校に行けない」ことは、お子さんにとって何かの変化を求めているサインかもしれません。低学年なら安心感を、高学年なら自尊感情を大切にしながら、焦らずに次の一歩を一緒に考えていきましょう。
フリースクールリンカーンでは、そんなお子さんと保護者の方を温かくサポートしています。 江戸川区瑞江校、江東区亀戸校の2校舎で、一人ひとりのお子さんに合わせた学習と居場所づくりを大切にしています。学校がちょっとしんどいお子さんが、安心して過ごしながら自分のタイミングで次の一歩を踏み出せる場所として、私たちがお手伝いさせていただきます。まずはお聞かせください。お子さんの今の状況について、一緒に考えさせていただければと思います。

